館内はコンパクトな2階建て構造になっており、1階は「寄生虫の多様性」、2階は「人体に関わる寄生虫と研究の歴史」という明快なテーマで構成されています。約300点の液葉標本やリアルな解説パネルが凝縮されています。
最大の目玉は、2階に鎮座する全長8.8メートルの「日本海裂頭条虫(サナダムシ)」の実物標本です。40代の日本人男性がマス寿司を食べたことが原因で体内に寄生し、駆虫薬によって排出された本物の個体であり、その長さと同じ長さの白いリボンが横に展示されています。リボンを手に取って体感することで、人間の体内にこれほど巨大な生物が潜んでいたという圧倒的なスケール感に息を呑みます。
食生活に直結する展示として注目度が高いのが「アニサキス」の標本と感染症解説です。サバやイカ、サンマなどの生食で激しい胃痛を引き起こすメカニズムや、幼虫が胃壁に穿孔しようとする様子が詳細に説明されており、誰もが我が事として見入ってしまう迫力があります。ほかにも、シーラカンスから発見された寄生虫など学術的価値が極めて高い展示が揃っています。