敬語を過剰に丁寧にしてしまうあまり、深刻なミスを犯してしまうケースが後を絶ちません。その最たる例が「お知りになられる」という誤用です。
「お知りになられる」を分解すると、以下のようになります。
- 「お〜になる」(尊敬語)
- 「〜られる」(尊敬語)
これは同じ種類の敬語を一つの動詞に重ねてしまう二重敬語に該当します。「ご覧になられる」「おっしゃられる」と同様に、ビジネスシーンでは非常にみっともない間違いとして扱われます。丁寧さを追求した結果、かえって教養を疑われてしまう典型的な落とし穴と言えます。
また、ネット上の一部まとめサイト等で「『ご存知ですか』は敬語ではないため使ってはいけない」という極論が散見されますが、これも正確な理解ではありません。「ご存知」自体は立派な尊敬語です。問題なのは、語尾が「〜ですか」という直接的な疑問形になっている点です。上司や取引先といった目上の人に対して知識の有無を尋ねる際に、相手が「いいえ、知りません」と答えるリスクを想定していないことが失礼にあたるのです。
相手を試すようなニュアンスを完全に排除するためには、「知っているか」を直接問うのではなく、「情報を既にお届けできているか」「耳に届いているか」という周囲の状況を尋ねるスタイルへ転換することが求められます。