中学校の理科実験室で行われる酸化銀の加熱実験には、観察すべき現象と押さえるべき実験操作のポイントが凝縮されています。大手学習塾の作問担当者によると、実験手順と色の変化に関する設問は、記号選択・記述問題を問わず正答率の差がつきやすい領域です。
加熱前の酸化銀はサラサラとした黒褐色(または黒色)の粉末です。これを試験管に入れてガスバーナーで強く加熱すると、気体を放出しながら次第に白色(または灰白色)の個体へと変化していきます。
ここで発生する気体の正体を突き止めるのが、酸素の発生確認です。試験管の口に火のついた線香を近づけると、線香が炎を上げて激しく燃え上がります。この現象から、発生した気体が支燃性を持つ「酸素(O₂)」であることが実証されます。
一方、試験管内に残った白い粉末が「銀(Ag)」であることの証明には、金属特有の3大性質(金属光沢・展性延性・電気伝導性)を確認する以下の3つのアプローチが用いられます。
- 薬さじやガラス棒でこする:表面の凹凸が押しつぶされ、特有のピカピカとした「金属光沢」が現れる。
- 叩いて広げる:金槌などで叩くと、粉々にならずに薄く広がる(展性)。
- テスター(豆電球と乾電池)をつなぐ:電流が流れ、豆電球が点灯する(電気伝導性)。
実験の安全面においては、「加熱を止める前に必ずガラス管を水槽から抜く(水の逆流による試験管の破損を防ぐ)」「試験管の口を底よりもわずかに下げて加熱する」といった基本作法も頻出の記述対策事項です。