インターネット上の噂話では、「犯人がオカルト的な呪術儀式としてキティ人形を用いた」「怨霊を封じ込めるためにキャラクターを選んだ」といった俗説が散見されます。しかし、警察の事情聴取および公判記録を精査すると、そこにあったのはオカルト的動機ではなく、極めてずさんかつ場当たり的な物理的理由でした。
事件当時、犯行現場となったアパートには、少女や加害者たちが持ち込んだ私物が多数放置されていました。その中にあったのが、当時アジア圏で大ブームを巻き起こしていた約1メートルの「人魚型ハローキティの特大ぬいぐるみ」でした。犯人たちは損壊した遺体のうち、頭部の処分に窮し、室内の異臭を一時的に防ぎつつ、万が一他人が立ち入った際にも外見から中身を悟られないカモフラージュとして、目の前にあった大型のぬいぐるみを切り開いて詰め込み、綿で覆い隠したに過ぎません。
また、「妊娠中の被害者が胎児ごと殺害された」という言説も広く流布していますが、公式記録によれば樊さんは1歳前後の乳児の母親であったものの、司法解剖および医学鑑定において妊娠の事実は確認されていません。猟奇的なディテールが人々の恐怖と好奇心を刺激し、年月の経過とともにセンセーショナルな尾ひれがついて語り継がれた典型例といえます。