プロローグで描かれた最大の技術的課題が、GUNDフォーマットがもたらすデータストームの危険性です。もともと宇宙環境での身体機能補殺を目的とした医療技術「GUND」は、モビルスーツの軍事制御システムへと転用されたことで、搭乗者の神経系へ過剰な情報負荷を強いる欠陥を抱えていました。
パーメットリンクの数値を上げるほど機体との一体感は増すものの、パイロットの顔には青黒い拒絶反応の痣が浮かび上がり、最終的には脳や循環器系を破壊して死に至らしめます。この恐ろしいリスクを抱えながら兵器開発を強行した開発者たちは、モビルスーツ開発評議会から「人道を踏みにじる魔女」として断罪される口実を作ってしまいました。
カルド博士は「GUNDは人類が宇宙へ進出するための希望の衣」と理想を掲げていましたが、企業間の覇権争いと政治的思惑によって軍事利権の道具へと変質。その歪みが、悲劇的な虐殺という形で爆発したのです。