道路を走行していると必ず目にする、赤の丸枠の中に2台の車が描かれた規制標識。この標識を見かけた際、一律に「前方の車を絶対に抜いてはいけない」と解釈しているドライバーは珍しくありません。しかし、日本の道路交通法において、この標識は「補助標識の有無」によって全く異なる2つの規制に分かれています。
標識の下に「追越し禁止」という文字が書かれた追い越し禁止補助標識が取り付けられている場合、その区間では「あらゆる車両の追い越し」が完全に禁止されます。道路の中央線をはみ出すかどうかにかかわらず、進路を変えて前車の前に出る行為そのものが違法です。
一方、文字の補助標識がなく、丸い本標識だけが単独で立っている場合の正式名称は「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」です。この標識が示しているのは、あくまで「道路の中央から右側部分へのはみ出し」の禁止に過ぎません。つまり、自車が走行している車線内に十分な幅があり、中央線を一切踏み越えずに側方を通過できる状態であれば、前走車を追い越しても法律上の違反には問われません。