視聴者を戦慄させた最大の見せ場が、物語の序盤で発生する硫化水素を用いた道連れ自死未遂事件です。劣等感に耐えかねた平田は、自分を見下していると信じ込んだ都築を自室に誘い込み、密閉空間で硫化水素を発生させて無理心中を図ろうと画策します。
林遣都が見せた、震える手で薬品を調合し、狂気の笑みを浮かべながら涙を流す演技は、まさに「極限まで追い詰められた人間の臨界点」を体現していました。しかし、その凶行を寸前で阻止したのが、すべてを冷徹に見透かしていた教官・風間公親(木村拓哉)でした。
風間は、平田が抱えていた劣等感、父親へのコンプレックス、そして薬品を集めていた行動を完全に把握していました。硫化水素が発生する直前の緊迫した部屋に現れた風間は、動揺する平田に対して一切の容赦なく、警察官としての適性が皆無であることを突きつけます。
「警察学校は警察官を育てる場所ではない。適性のない者をふるい落とす場所だ」――風間の非情な哲学の前に、平田の虚勢は完全に崩壊。震える手で退校届に署名させられ、第198期最初の脱落者として警察学校を去ることになりました。自らの弱さを直視できず、他者を巻き込んで破滅しようとしたことこそが、平田和道の退校の決定的な理由です。