日本の勲章制度は、明治8年(1875年)4月の「勲章従軍記章制定ノ件」(太政官布告第54号)によって旭日章の原型が制定されたことから始まりました。現在、内閣府賞勲局が管掌する日本の勲章は全部で22種類存在し、その位置づけと序列は法令および運用内規によって厳密に定義されています。
ピラミッドの頂点に君臨するのは、国籍を問わず国家元首や皇族、極めて卓越した功績を挙げた総理大臣経験者などにのみ授与される「大勲位菊花章(大勲位菊花章頸飾・大勲位菊花大綬章)」です。頸飾(けいしょく)は日本の最高勲章であり、受章者は歴史の教科書に名を刻むクラスの国家指導者に限られます。
これに次ぐのが、旭日章の上位に位置する単一等級の「桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)」です。かつては勲一等旭日桐花大綬章と呼ばれていたもので、三権の長(内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官)の経験者や、民間であっても国家社会に比類なき貢献を果たした人物に授与されます。
一般に広く知られる勲章は、主に以下の体系に分かれています。
- 旭日章(全6等級):旭日大綬章、旭日重光章、旭日中綬章、旭日小綬章、旭日双光章、旭日単光章
- 瑞宝章(全6等級):瑞宝大綬章、瑞宝重光章、瑞宝中綬章、瑞宝小綬章、瑞宝双光章、瑞宝単光章
- 宝冠章(全6等級):宝冠大綬章、宝冠牡丹章、宝冠白蝶章、宝冠藤花章、宝冠杏葉章、宝冠波光章(現在は皇族女子や来日した女性元首・王族など儀礼的外交を中心に授与)
- 文化勲章(単一等級):科学技術や芸術など、文化の発達に関して顕著な功績を上げた人物に授与
かつて存在した数字の「勲一等」「勲二等」といった呼称は、2003年の制度改正によって廃止され、現在は「大綬章」「重光章」「中綬章」といった重厚な漢語の等級名へと一本化されました。