牛の舌(牛タン)の部位別違いと下処理の極意!旨さを引き出す調理法

牛の舌(牛タン)の部位別違いと下処理の極意!旨さを引き出す調理法

牛の舌(牛タン)の部位別違いと下処理の極意!旨さを引き出す調理法の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

日本国内で「牛タン」といえば誰もが宮城県仙台市を想起しますが、仙台が牛の産地というわけではありません。この食文化の定着には、戦後の激動期における料理人の創意工夫と歴史的背景が存在します。

昭和23年(1948年)、仙台の割烹料理店「太助」の初代店主である佐野又四郎氏が、進駐軍(米軍)が大量に消費した牛肉の残余部位として廃棄されがちだった「舌」と「テール」に着目したことが起源とされています。当時の日本は深刻な食糧難に喘いでおり、捨てられていた未利用部位をいかに日本人の舌に合う料理へ昇華させるかが課題でした。

佐野氏は洋食のシチュー材料だった牛タンを、和食の技法である「塩とコショウで数日間熟成させる乾塩法」と「炭火焼き」で調理し、麦飯とテールスープ、青唐辛子の味噌漬けを組み合わせた独自の「牛タン定食スタイル」を完成させました。これが単身赴任者や全国を巡るビジネスパーソンを通じて口コミで広まり、東北新幹線の開業や観光ブームとともに全国区の名物へと定着したのです。

現代の食肉流通市場において、国内で消費される牛タンの大半はアメリカ産やオーストラリア産などの輸入肉です。和牛の舌(黒タン)は極めて希少で、高級焼肉店や料亭向けに高値で取引されています。近年は世界的な牛肉需要の拡大や為替変動、飼料価格の高騰に伴い、牛タンの卸売相場は高止まりを続けており、家庭での調理においても「部位ごとの無駄のない使い分け」がこれまで以上に重視されています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。