備蓄米とは、不作や自然災害、国際情勢の激変による輸入途絶など、深刻な食料供給不足が発生した際に備え、国が法律に基づいて計画的に買い入れ・保管している主食用の米を指します。所管官庁は農林水産省であり、根拠法令は「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)」です。
かつて1993年に発生した「平成の米騒動」における大混乱を教訓に、1995年の新食糧法施行とともに現在の政府備蓄米制度が創設されました。国が保有する目標水準は年間需要量の約100万トン程度と設定されています。これは、大凶作が発生しても国民の主食を一定期間維持できる規模として算出された数値です。
運用の特徴は、鮮度と品質を維持するための「5年ローテーション(回転備蓄方式)」にあります。国は毎年約20万トンの当年度産米を一般入札によって民間(JAや米穀集荷業者など)から買い入れます。そして、専用の定温倉庫(温度15度以下・湿度60〜70%)で5年間保管した後、主食市場に直接流して価格を乱さないよう、主に飼料用(家畜のエサ)や加工用、学校給食用、あるいは海外への食糧援助用として計画的に売却・払い下げを行います。