ネット上には「夜の咳を今すぐ止める裏ワザ」といった民間療法が散見されますが、医学的に誤った対処法を実践して病態をこじらせる事例が多発しています。代表的な誤解を是正します。
最大の盲点は、夜の咳に効く市販薬の選び方に関する誤った認識です。市販の総合感冒薬に含まれる第一世代抗ヒスタミン薬や抗コリン成分は、気道の分泌液を過剰に乾燥させ、かえって粘膜を刺激して頑固な咳を誘発することがあります。また、コデイン類を含む強力な咳止めは便秘を招き、腹圧を上昇させて逆流性食道炎を劇的に悪化させるリスクを孕んでいます。
さらに、寝室の乾燥とハウスダスト対策においても重大な落とし穴が存在します。「加湿器をつけておけば安心」と思い込み、湿度を70%以上に設定した結果、寝具やエアコン内部にカビやダニが爆発的に繁殖し、気管支喘息とアレルギー性咳嗽の温床を作ってしまうケースです。真菌(カビ)の胞子やダニの糞・死骸は極小の微粒子であり、横になった際に顔の至近距離にある布団から大量に吸入されます。加湿の目安は50〜60%を厳守し、寝具の定期的な天日干し・防ダニカバーの装着こそが根本解決につながります。