前後足の間隔を20インチ(約50cm)以上大きく広げるエロンゲートスタート。かつては「飛び出しの反応速度が遅れる」として避ける指導者も多かったが、近年のバイオメカニクス研究によってその評価は一変した。
ブロックに足が接触している時間(コンタクトタイム)が長く保たれるため、地面に伝えられる総エネルギー量が大きくなる。190cmを超えるような長身スプリンターや、股関節の可動域が広い選手においては、初速の立ち上がりこそ穏やかだが、二次加速への接続が極めてスムーズになるというメリットが確認されている。足の長さを活かしてストライドを伸ばしたい現代スプリンターにとって、極めて実践的な武器となっているのだ。