術後の視覚回復は、日を追うごとにグラデーションのように変化していきます。手術翌日から劇的に視力が向上する人もいれば、ピントが合わない違和感がしばらく続く人もおり、回復速度には個人差が存在します。
一般的な回復プロセスの目安は以下の通りです。
【手術翌日〜3日目】:眼帯が外れ、光の明るさに驚く時期。角膜のむくみにより、ピントの芯が定まらない感覚が残ることがあります。
【1週間後】:角膜や前房内の炎症が沈静化し、大枠の視力が立ち上がります。日中のおおよその見え方に手応えを感じ始める段階です。
【1ヶ月後】:眼内レンズが嚢(のう)の中で安定し、屈折度数が定まってきます。この段階で残った屈折異常を補正するための「術後眼鏡」の処方が可能になります。
【2〜3ヶ月後】:新しい見え方に脳が完全に順応(神経適応)し、色の違和感やまぶしさ、焦点の切り替えが意識されなくなります。
「術後すぐに完璧な見え方が手に入る」と思い込んでいると、回復初期のピントのズレに強い焦りを抱く原因になります。視力の完成には最低でも1ヶ月以上のタイムラグがあることをあらかじめ把握しておく必要があります。