グラビアから本格的にテレビドラマや広告へと活動の軸を移した1990年代後半、彼女の存在は国民的な社会現象へと昇華します。その象徴が、社会現象にまで発展したヘアスタイルと、広告業界を席巻した藤原紀香の90年代CM女王の経歴です。
当時、日本中の美容室で「紀香さんと同じ髪型にしてください」とオーダーが殺到したのが、レイヤーを大胆に入れて毛先を軽快に遊ばせたウルフベースのスタイルでした。藤原紀香の紀香ヘア流行の真相を探ると、単なる流行デザインの受容ではなく、「アクティブに働く自立した大人の女性になりたい」という女性たちの社会心理が色濃く反映されていました。甘さを排し、颯爽と風を切って歩く姿は、就職氷河期や過渡期の社会をサバイブする女性たちの戦闘服のような意味合いを持っていたのです。
テレビドラマにおいても、芯が強く情に厚いヒロイン像を次々と好演。藤原紀香のドラマ代表作一覧を振り返ると、フジテレビ系『ナオミ』(1999年)での破天荒な教師役、草彅剛と共演した『スタアの恋』(2001年)でのトップ女優・桜子役など、自身のゴージャスなパブリックイメージを活かしつつ、親しみやすさを同居させた作品が並びます。J-PHONE(現ソフトバンク)のCMで見せたスタイリッシュな姿や、各種飲料・コスメのCMで見せた屈託のない笑顔は、年間起用社数ランキングで幾度も頂点に輝く原動力となりました。