本作の最大の魅力の一つが、文語体と口語体を巧みに織り交ぜた格調高い歌詞です。一見すると難解な言葉の羅列に見えますが、その根底には「他人の目を気にせず、己の本能に従って孤独な道を歩め」という強烈な生の哲学が流れています。
冒頭の「身の程知らぬ儘(まま) 馳せ出(い)づる爪先」というフレーズは、「自分の器量や限界など弁えず、衝動のままに駆け出していく足元」を意味します。世間の常識や分不相応という周囲の声を振り払い、自らの足で運命を切り拓く覚悟を示しています。
続く「銘々の値打ち 佩(は)く帯に顕(あらわ)る」は、「それぞれの人間としての価値は、腰に差した帯(=自らが背負う矜持や生き様)に自ずと現れる」という現代語訳が成り立ちます。外面を着飾ることではなく、生き方そのものがその人の真価を決めるという痛烈なメッセージです。
「無けなしの命がひとつ だうせなら使ひ果たさうぜ」というサビのクライマックスでは、仮名遣い(だうせ=どうせ)を用いつつ、一度きりの人生を惜しみなく燃やし尽くせという剥き出しの熱情が叩きつけられます。不確実な時代を生きる現代人にとって、この実存的な問いかけは強烈な引力となって響きます。