経営難に喘いでいたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を破竹の勢いで再建させた立役者、森岡毅。彼が提唱するマーケティング戦略の核にあるのは、「ビジネスの成果は偶然ではなく、確率によってコントロールできる」という冷徹なまでの数学的思考だ。
当時のUSJは、映画ファンという狭いターゲットに依存し、来場者数の伸び悩みに直面していた。森岡毅はこの状況に対し、単なるアイデアの良し悪しではなく、消費者の「ブランドに対する好意度(Preference)」をいかに高めるかという点に焦点を絞った。好意度が上がれば、消費者がテーマパークを訪れる確率は数学的に上昇する。勝つべくして勝つ仕掛けを施した結果、USJは劇的なV字回復を果たした。
2026年の今日においても、この勝率計算の思想はあらゆる産業に根付いている。予測不能とされる市場変動のなかで勝利を掴み続ける企業は、根底にある数学的メカニズムを解読し、狙いすました戦略を投下しているのだ。