製品パッケージに記載された「大容量10,000mAh」という数字を見て、「バッテリーが大きいから風も強いはずだ」と誤認してしまうユーザーが非常に多く見られます。しかし、これは電気工学的に明確な誤解です。
バッテリー容量(mAh)が示すのは「駆動できる時間の長さ」であり、「風速の強さ(W・仕事率)」ではありません。安価な製品の中には、小型モーターのまま風量を絞ることで「最長60時間連続稼働」とアピールするものが存在します。これらは弱風モードの数値を誇張しているケースが多く、最大風量に切り替えると数時間でバッテリーが尽きるか、そもそも最大出力自体が低く設定されています。
また、羽根の枚数に関する誤解も根強く残っています。「羽根が5枚や7枚あれば風が強い」と思われがちですが、枚数が多いファンは気流を細かく刻んで「肌当たりの柔らかな微風」を作るのに適した設計です。遠くまで届く直進性の強い大風量を求める場合は、大型ブレード(3枚〜4枚)を深い傾斜角で高トルク回転させるサーキュレーター型の構造が物理的に有利となります。