広報制作の現場取材において、多くの担当者が口を揃えるのが「文化の日のイメージが抽象的すぎて何をモチーフにすべきか迷う」という悩みです。国民の祝日に関する法律(祝日法)において、文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日と定められています。
実務で制作される広報物や文化の日ポスターデザインを分析すると、主に以下の2系統にモチーフが分類されています。
第一は、一般的に親しまれている芸術の秋イラストの系統です。キャンバスに向かう姿、バイオリンやピアノなどの楽器、読書、陶芸、博物館や美術館の建物など、視覚的に分かりやすいシンボルが多用されます。商業施設のイベントや子育て支援センターの催しでは、この系統を採用することで親しみやすさと季節感を即座に演出できます。
第二は、祝日の歴史的・公式な背景に基づく文化勲章イラストや橘(たちばな)の花を模した意匠、日本国憲法にまつわる平和の鳩などの系統です。皇居での親授式や学術・芸術分野での功績を称える公的行事、自治体の表彰式パンフレットでは、こうした品格あるモチーフを中央に据えることで、行事の持つ格式の高さを視覚的に担保しています。