エコカーとして広く普及しているハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)を巡っては、ドライバーの間に大きな誤解が存在します。
「ハイブリッド車は、他車のバッテリー上がりを救援してはならない」という点です。これは各自動車メーカーの取扱説明書にも明確に記載されている重要規定です。
ハイブリッド車には、走行用の高電圧駆動用バッテリーとは別に、ハイブリッドシステムを起動させるための「12V補機バッテリー」が搭載されています。他車(特に大排気量ガソリン車)を救援しようとすると、セルモーターを回す際に瞬間的に数百アンペアに及ぶ極めて大きな突入電流が流れます。
ハイブリッド車の電源回路はそうした大電流を他車に供給する設計になっていないため、ハイブリッドシステムのDC-DCコンバーターや高額な制御機器を破壊してしまう可能性が極めて高いのです。なお、自車の補機バッテリーが上がった際に他車から「救援してもらう」ことは可能ですが、その際もエンジンルーム内の専用ジャンプスタート端子(ヒューズボックス内)を使用するなど特別な手順が求められます。
【プロの結論】自力復旧を選ぶべき人・プロに依頼すべき人の判断基準
バッテリー上がりに遭遇した際、現場で自力ジャンプスタートを試みるべきか、それともJAFや自動車保険付帯のロードサービスを呼ぶべきかは、置かれた状況と装備によって明確に分かれます。
自力での対応を推奨できる条件:
・適合するアンペア規格(12V・80A〜100A以上)の良質なブースターケーブルを所持している
・同電圧(12V)のガソリン車・ディーゼル車の救援車が確保できている
・取扱説明書を確認でき、端子の位置とボディアースポイントを視認できる
・近年普及している「リチウムイオン式ジャンプスターター(モバイルバッテリー型)」を常備している
直ちにロードサービスへ救援要請すべき条件:
・ハイブリッド車や最新の輸入車で、端子位置やアースポイントに迷いがある
・バッテリー本体が膨張している、または異臭(硫黄臭)や液漏れが確認できる
・ケーブルの被覆が破れている、クリップが錆びているなど器具が劣化している
・夜間の路肩や悪天候下など、作業の安全確保が困難な場所に停車している