このブームを仕掛けた日本側の立役者、鳴門鯛焼本舗の動きも見逃せない。彼らは単に名前を貸すライセンスビジネスにとどまらず、日本の職人技術をそのまま海外へ移植することにこだわった。ボストン店でも、日本から輸入した専用の鋳型を使用し、一丁焼きと呼ばれる伝統的な手法で一枚ずつ丁寧に焼き上げている。
関係者によれば、スティーヴ・タイラー本人も試食を重ね、フレーバーの開発に深く関わったという。「日本の職人が守ってきた味のクオリティを落としてはならない」という彼の強い要望が、安易なローカライズを拒み、結果として本物志向の海外リスナーを惹きつける決定打となった。妥協を許さないロック精神が、ここでも発揮されているのだ。