メディア構造の観点から見ると、イッテQを取り巻く「低迷」報道の多くは、テレビ業界の指標改革とネットニュースのビジネスモデルが生み出した“認知の歪み”によるものです。
かつての日本社会におけるテレビ視聴は、居間に置かれた1台の受像機を家族全員で囲む「家族団らんモデル」が前提でした。この時代には、どの家庭でもテレビがついているかを示す「世帯視聴率」が絶対的な正義でした。しかし現在、核家族化とスマートフォンの普及により、家族が同じ部屋にいても各自が別々の画面(YouTube、Netflix、スマホゲームなど)を見る「視聴の個人化」が完全に定着しています。
こうした中、日本テレビは民放キー局の中で最も早く「世帯から個人、そしてコア視聴率(13〜49歳層)」への評価軸シフトを断行しました。スポンサー企業が最も訴求したいのは、将来にわたって購買行動を起こす若い現役世代です。いくら世帯視聴率が20%あっても、視聴者の大半が70代以上であれば、自動車や化粧品、スマートフォンアプリの広告主はつきにくくなります。
それにもかかわらず、一部のWebメディアが旧態依然とした「世帯視聴率」だけを基準にして「イッテQがポツンと一軒家に大惨敗」「視聴率1桁転落で打ち切り危機」とセンセーショナルに書き立てるのは、その方が中高年の読者を中心にクリック数が稼げるからです。この業界構造のズレこそが、ネット上の「低迷・打ち切り説」を増幅させている本質です。
【プロの結論】現在のイッテQを楽しめる人・物足りなさを感じる人の判断基準
過渡期を迎えているイッテQですが、視聴者一人ひとりのメディア接触スタイルによって、その受け止め方は明確に分かれます。ご自身が現在の番組をストレスなく楽しめるかどうか、以下の判断基準を参考にしてみてください。
▼現在のイッテQを存分に楽しめる人:
- 「日曜夜の安心感」を求める人:過激な毒舌や攻撃的な笑いが苦手で、家族全員で気まずくならずに観られるバラエティを求めている人。
- 出演者の関係性・人間ドラマを愛せる人:出川哲朗とデヴィ夫人、宮川大輔と手越祐也、内村光良とレギュラー陣の長年の信頼関係や成長ストーリーに愛着を持てる人。
- 美しい海外のロケーションを楽しみたい人:世界各国の絶景や奇祭、過酷な自然の映像を高品質なロケ映像で擬似体験したい人。
▼現在のイッテQに物足りなさを感じる人:
- 平成初期のような過激さを期待する人:深夜番組のようなトガッた企画や、予測不能なハプニング、コンプライアンス無視のスリルをバラエティに求める人。
- タイパ(時間対効果)を極度に重視する人:TikTokやYouTubeショートのテンポ感に慣れ、ロケのフリからオチまでの丁寧な助走を「まどろっこしい」と感じてしまう人。
- 固定化されたお約束展開に飽きやすい人:「いつものパターン」に心地よさではなく、退屈さを覚えてしまう人。