毒を持つ異形の虫?ジャコウアゲハ幼虫の生態と驚きの防御戦略

毒を持つ異形の虫?ジャコウアゲハ幼虫の生態と驚きの防御戦略

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ジャコウアゲハの幼虫を一目見た人の多くは、そのグロテスクとも称される風貌に強い警戒心を抱きます。終齢幼虫になると体長は約4〜5cmに達し、全体は深い黒褐色から灰黒色。最大の特徴は、体節ごとに突き出た肉質の突起(肉棘:にくきょく)です。背中や側面に並ぶこの突起は、鮮やかな赤や橙色、白に近いピンク色に染まり、黒い体との強烈なコントラストを形成しています。

アゲハチョウの仲間といえば、柑橘類の葉で見かける「ナミアゲハ」の幼虫が有名です。ナミアゲハは若齢期に鳥の糞に擬態し、終齢になると滑らかな美しい緑色へ変化します。対照的に、ジャコウアゲハは初齢から終齢に至るまで一貫して突起のあるトゲトゲしい外見を保ち、緑色になることはありません。このデザインの差異こそが、両者が選んだ進化の道の違いを物語っています。

野外での発生時期は地域によって異なりますが、一般的に5月から10月頃にかけて年2〜3回ほど発生のピークを迎えます。日当たりの良い土手や林縁、人家のフェンスなどに絡みついたつる植物の周辺で、複数匹が集まって葉を貪り食う姿が頻繁に観察されます。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。