SNS上では「アジア枠が8.5枠に増えたのだから、日本代表のW杯出場はほぼ確実で消化試合に近いのではないか」という楽観論が散見されます。しかし、現場を取材するスポーツジャーナリストの間では、まったく逆の危機感が共有されています。
枠の拡大は、中堅国のモチベーションをかつてないほど引き上げました。特にインドネシアのように欧州ルーツの帰化選手を大量に補強したチームや、莫大なオイルマネーで育成とリーグ強化を推し進めるサウジアラビアにとって、「4位以内に入ればまだチャンスがある」というレギュレーションは、死に物狂いの粘りを生み出す温床となっています。
格下と見られた相手であっても、ホームの大歓声とラフなピッチコンディション、さらには徹底した時間稼ぎや引いたブロック守備を仕掛けられた場合、わずかな判定一つで勝ち点3を落とすリスクが常に潜んでいます。ネット上の「余裕の突破」という言説と、ピッチ上の「極限の心理戦」との間には、依然として埋めがたいギャップが存在しています。