能登屋旅館の滞在プランを検討する際、多くの旅行者が頭を悩ませるのが「本館」と「別館」の選択です。大正期の趣を全身で味わいたいのか、あるいは静かに快適な夜を過ごしたいのかによって、選ぶべき客室タイプは明確に分かれます。
歴史と風情を求めるなら、登録有形文化財に指定されている本館(川側客室)の一択です。窓を開ければ眼下に銀山川のせせらぎが流れ、夕暮れ時にはガス灯に照らされた温泉街のノスタルジックな景観を部屋から独り占めできます。格子戸や床の間の設えなど、大正ロマンの息吹を間近に体感できる贅沢さがあります。ただし、木造建築ゆえに階段移動が基本となり、エレベーターがない点や、隣室や廊下の物音が響きやすい点には理解が必要です。
一方の別館(山側客室)は、昭和後期に増築された比較的新しい造りとなっており、川の喧騒から離れた静謐な空間が広がっています。間取りがゆったりとしており、居住性やプライバシーを重視する大人の湯治客や、静かに読書を楽しみたい旅行者から高い評価を得ています。川沿いの景色は館内のラウンジや散策で堪能し、部屋では静寂に浸るという賢い使い分けが可能です。