齊藤樹愛羅のキャリアにおいて、最大のゲームチェンジャーとなったのが2つの楽曲の存在です。第一の起爆剤となったのは、13thシングル『この空がトリガー』に収録された自身初の本格的ソロ曲『Kiara Tiara』でした。
これまでの王道アイドル路線や「きあらちゃん」のイメージを完膚なきまでに覆す、攻撃的でエッジの効いたダンスビートとガールクラッシュな世界観。ヒールを鳴らしながらステージを完全支配する彼女のパフォーマンスを目の当たりにしたファンと批評家は、その圧倒的な覚醒ぶりに息を呑みました。YouTubeで公開されたミュージックビデオのコメント欄には、「可愛い樹愛羅が完全に消え、圧倒的カリスマが降臨した」「これが本当にあの樹愛羅なのか」という驚愕の声が殺到。この楽曲によって、「齊藤樹愛羅=超一流のダンサー・表現者」という認識が業界内に一気に浸透しました。
そして満を持して訪れたのが、2023年11月にリリースされた15thシングル『ラストノートしか知らない』における表題曲初センター抜擢です。指原莉乃プロデューサーがこの重要なシングルで齊藤をセンターに据えた真相について、音楽関係者は次のように分析しています。
「この楽曲は、切なくも大人びた香水(ラストノート)の香りをテーマにした、極めて繊細なミディアムナンバーです。従来のセンター像のような底抜けの明るさではなく、少女から大人の女性へと移ろう一瞬の儚さと色香を表現できるメンバーとして、齊藤樹愛羅に白羽の矢が立ちました。指原プロデューサーは、彼女が蓄積してきた歌唱表現の繊細さと、憂いを帯びた表情の魅力を完全に見抜いていたのです」
実際に音楽番組で披露されたパフォーマンスでは、センターに立つ齊藤の指先まで神経の行き届いた所作と、切なさを宿した瞳の演技が絶賛を浴びました。単なる「順番回しのセンター」ではなく、「今の齊藤樹愛羅にしか歌えない必然性のあるセンター」であることを、自らの実力で証明してみせたのです。