莫大な借金を返済するため、水沢アキはなりふり構わず働き続けた。仕事と返済のストレスは家庭内にも暗い影を落とし、かつては子供たちに対する過干渉や感情的な衝突が深刻なトラウマを生む結果となった。思春期を迎えた子供たちは母の元を去り、アメリカの父のもとへ身を寄せるなど、家族の絆は完全に崩壊したかに見えた。
しかし、時の経過が頑なだった心を少しずつ溶かしていく。テレビの特集やNHKが制作した人物ドキュメンタリー番組などで、母と子供たちは逃げることなく過去のトラウマや怨嗟と正面から向き合った。過去の過ちを涙ながらに詫びる母と、母の背負っていた想像を絶する苦しみを大人になって理解した子供たち。カメラの前で交わされた抱擁は、泥沼の確執を乗り越えた真の家族再生の瞬間だった。