本来は南極周辺の極寒の海に生息するキングペンギン(オウサマペンギン)が、なぜ鹿児島市の民家で暮らすことになったのか。その始まりは1980年代半ばに起きた一本の海洋事故でした。
遠洋漁業の漁網に誤って絡まり、くちばしや翼に大怪我を負っていたところを日本の漁船に救助されたのがララちゃんです。衰弱が激しく自然に帰すことが困難だったため、動物の飼育経験が豊富だった鹿児島市の西本幸雄さん一家が治療と保護を引き受けることになりました。
懸命な看病によって怪我は完治したものの、過酷な野生へ戻すことはすでに難しく、西本家の一員として生涯を共に歩む決断が下されました。名前を呼べば鳴き声で応え、家族の後を追うほど深い信頼関係が築かれていったのです。