村下孝蔵の凄みは、類まれな作詞・作曲センスだけにとどまりません。プロのスタジオミュージシャンすら舌を巻く超絶的なアコースティックギターの演奏技術にありました。
ライブやテレビ番組での弾き語り映像を見ると、彼はピックを使わずに爪を用いたスリーフィンガー・ピッキングやフラメンコ奏法(ラスゲアードなど)を縦横無尽に駆使しています。右手で複雑なパーカッシブ・リズムとベースライン、コード伴奏を同時に刻みながら、一切のブレを感じさせずに伸びやかなハイトーンボイスで歌い上げていました。
SNSや動画プラットフォームでは、「ギター1本でバンド全体の音を出している」「歌唱力とギター技術がどちらも人間離れしている」といったコメントが国内外から殺到しています。飾り気のない朴訥とした佇まいと、ひとたび楽器を構えた際に放たれる圧倒的な演奏力とのギャップは、現在も多くのフォーク・アコギ愛好家を魅了し続けています。