どれほど優れたインフラを敷設しても、市民の無理解があればそれは一瞬にして凶器へと変わる。NHKのドキュメンタリー番組や報道特集では、点字ブロック上に放置された自転車や看板によって視覚障害者が衝突・転倒し、大怪我を負う実態が繰り返し告発されてきた。
近年ではYouTubeなどの動画共有プラットフォームでも、当事者自身が白杖を持ちながら街を歩く一人称視点の映像を投稿するケースが増えた。カメラが捉えるのは、ブロックの上で立ち止まりスマートフォンを操作する歩行者、テラス席の椅子で遮られた誘導線、そして点字ブロックが途切れた瞬間に押し寄せる強烈な恐怖だ。動画のコメント欄には「自分の立ち位置がいかに危険だったか思い知らされた」「無意識に塞いでいたかもしれない」といった反省と驚きの声が溢れる。
生々しい映像の拡散は、啓発ポスターを何千枚貼るよりも深く、人々の無自覚な行動に揺さぶりをかけている。足元の黄色いラインは、決して荷物置き場でも、待ち合わせの目印でもない。