識字障害とは?怠けと誤解される理由と大人の特徴・現場の支援法

識字障害とは?怠けと誤解される理由と大人の特徴・現場の支援法

識字障害とは?怠けと誤解される理由と大人の特徴・現場の支援法とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

実際に成人の当事者たちが抱えてきた苦悩は、想像を絶する孤独と自責の連続です。メディアの特別取材や支援団体の手記に寄せられた生の証言は、日本社会の根深い「手書き至上主義」と「活字中心文化」の弊害を浮き彫りにしています。

大手IT企業で企画職を務める30代男性は、自著の手記やインタビューの中でこう述懐しています。
「周囲からは『会話の頭の回転は速いのに、なぜこんな簡単な報告書の誤字が直らないのか』『不真面目だ』と詰められ続けました。自分は知恵遅れなのかと毎日トイレで泣いていた。28歳で初めて確定診断を受けた瞬間、自分の努力不足ではなかったと分かり、崩れ落ちるように安堵しました」

もし違和感を抱き、「確定診断を受けたい」「自分の脳の認知特性を数値化したい」と考えた場合、識字障害の診断と何科を受診すべきかが次の関門となります。

受診先は対象の年代によって明確に分かれます。子どもの場合は小児精神科、小児神経科、または発達外来を設置している総合小児科が窓口となります。成人の場合は、大人の発達障害外来を標榜する精神科・心療内科、あるいは高次脳機能障害を扱う神経内科への相談が第一選択です。

診断プロセスにおいては、知能の全体構造を測定する「WAIS(成人知能検査)」や「WISC(児童用知能検査)」に加え、読字・書字の速度と正確性を詳細に測る「STRAW-R(標準読み書きスクリーニング検査)」や「URAWSS(小学生の読み書きスクリーニング検査)」などが組み合わせて実施されます。知能指数(全検査IQ)が正常域にありながら、言語理解やワーキングメモリ、処理速度などの特定サブテスト間に著しいディスクレパンシー(落差)が確認されたとき、医学的な診断書が発行されます。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。