スーパーの食用油コーナーにおいて、ごま油やオリーブオイル、米油と比べてキャノーラ油が際立ってリーズナブルに販売されている点に疑問を抱く人も多いはずです。「安かろう悪かろうではないか」という疑念が生じがちですが、安さには明確な産業構造上の理由があります。
最大の理由は、圧倒的なグローバル生産量と大規模な機械化農業です。カナダの広大な農地で大型コンバインを用いて大量収穫され、専用の大型タンカーでバルク輸送されるため、原料調達の単位コストが極限まで抑えられています。
加えて、種子に含まれる油分の含有率が約40%と高く、効率的に油脂を抽出できる点もコスト低下に寄与しています。さらに国内では、日清オイリオグループやJ-オイルミルズといった大手油脂メーカーが臨海部に巨大な製油工場を構え、荷揚げから搾油、精製、ボトル充填までをオートメーション化しています。この徹底したスケールメリットと物流効率化こそが、高品質でありながら安定した低価格を実現している本質的な要因です。