命を賭して信を脱出させた麃公は、別れ際に自らが愛用していた重厚な大盾を信に投げ渡しました。この信への盾の継承は、単なる武器の譲渡にとどまらず、麃公軍の誇りと「戦国の火種」という大義をそのまま信の双肩に背負わせる儀式でした。
アニメ版において麃公の声を担当した声優・斎藤志郎氏の重厚かつ野太い演技は、まさに麃公そのもの。特番インタビューや声優陣の座談会でも語られた通り、斎藤氏は全身全霊で「火を絶やすでないぞォ」の絶叫を演じきり、現場のスタッフが息を呑むほどの緊迫感を生み出しました。喉を焼き切るような迫真のシャウトは、今なおファンの記憶に鮮明に刻まれています。
この大盾は、後の鄴(ぎょう)攻略戦における朱海平原の激戦でも信の手に握られ、岳嬰の一撃を受け止めるなど、幾度となく信の命を救う防壁となりました。「王騎の矛」が信の攻撃力を象徴する遺産であるならば、「麃公の盾」は仲間を守り抜く不屈の守備力と精神的支えの象徴として、信の成長を支え続けています。