「セモリナ(semolina)」とは、イタリア語で「粗挽き(穀物の粒)」を意味する言葉です。つまりセモリナ粉とは、特定の品種そのものを指すのではなく、穀物を粗めに挽いた状態を指します。しかし市場に流通している製品のほぼすべてが、地中海沿岸原産の超硬質小麦である「デュラム小麦」を原料としているため、一般的にはデュラムセモリナ粉と同義で扱われています。
デュラム小麦の最大の持ち味は、穀物としての硬さにあります。粒が非常に硬いため、一般的な小麦のように細かな微粉末にすることが難しく、必然的に粒子が粗い粉に仕上がります。さらに、植物性色素であるカロテノイドを豊富に含んでいるため、粉自体が鮮やかな淡黄色を帯びている点も大きな特徴です。
パスタを茹でた際に「アルデンテ」と呼ばれる心地よい歯ごたえが生まれるのは、このデュラム小麦特有の組織構造によるものです。デンプン粒子がタンパク質に強固に包まれているため、熱湯で茹でてもデンプンが外へ流出しにくく、煮崩れを起こさずに弾力のあるプリッとした食感をキープできます。