なぜすでに伝説的な成功を収めた映画シリーズが存在するにもかかわらず、巨額の予算を投じてドラマシリーズとして再映像化するのか。その最大の理由は、「映画というフォーマットの尺の制約から解放され、原作小説を一切の省略なく忠実に映像化するため」にあります。
興行収入面で大成功を収めた映画版ですが、2時間半前後の劇場枠に収めるため、数多くの魅力的なサブプロットやキャラクター描写を削ぎ落とさざるを得ませんでした。ドラマ版では1シーズンにつき原作小説1巻を割り当て、各シーズン約8〜10時間のエピソード尺を確保。これにより、映画では叶わなかった原作の緻密な世界観が余すところなく再現されます。
具体的にドラマ版で期待される要素としては、ホグワーツのポルターガイストであるピーヴズの登場、ハーマイオニーが立ち上げた屋敷しもべ妖精福祉振興協会(S.P.E.W.)の活動、ネビルの両親が収容されている聖マンゴ魔法疾患傷害病院のエピソード、そしてヴォルデモートの生い立ち(ゴーント家やヘプジバ・スミスの記憶)などが挙げられます。物語の深みとダークな陰影が、HBOの重厚な作風と合致することで、大人の鑑賞に耐えうる本格ファンタジードラマへと昇華される構想です。