この比類なき空間を誕生させたのは、医療用不織布や滅菌製品のパイオニアである株式会社ホギメディカルの創業者、故・保木将夫氏だ。一人の実業家が個人的な情熱から築き上げたコレクションが、いまや世界の美術館・ギャラリー産業に強烈なインパクトを与える存在へと成長した。
保木氏が写実絵画と運命的な出会いを果たしたのは、偶然手にした一枚の絵がきっかけだった。妥協を許さない医療機器の開発現場で培われた「嘘のない本物を見抜く眼」は、気の遠くなるような時間をかけて対象と対峙する画家たちの誠実さと直感的に共鳴した。膨大な情熱を注ぎ込み、世界初となる専門館の設立へと突き進んだ保木氏の美学は、今も館内の随所に脈打っている。