叶井氏の身体に異変が現れたのは2026年6月のことでした。肌や目の黄疸をきっかけに医療機関を受診したところ、すい臓がん(ステージ3)と診断され、医師から「余命半年、長くて1年」との宣告を受けました。その後、がんの進行とともにステージ4へと移行します。
その際、叶井氏が下した決断は世間を驚かせました。医師から提案された標準治療である抗がん剤治療をあえて行わず、対症療法を受けながら仕事を続け、日常を楽しむ道を選んだのです。
報道各社の取材や自著で叶井氏自身が明かしたところによると、「抗がん剤の強い副作用によって寝たきりになり、思考力や活力を奪われるくらいなら、大好きな映画の仕事をし、仲間と酒を飲み、旨いものを食べる時間を1日でも長く過ごしたい」という強い信念に基づく自己選択でした。妻の倉田氏も当初は動揺と葛藤を抱えながらも、夫の意志を尊重し、最後まで自宅での生活を支え続けました。
宣告された余命半年を大きく超え、診断から約1年9ヶ月にわたり執筆やイベント出演などを精力的にこなした叶井氏は、2026年2月16日午後、都内の自宅で倉田氏や家族に見守られながら56歳で永眠しました。