左翼手というポジションを語るうえで、球史にその名を刻む二人の偉大な打者を外すことはできない。日本が誇る主砲・松井秀喜と、メジャーリーグベースボールの歴史上もっとも恐れられた本塁打王バリー・ボンズだ。
巨人時代から日本野球機構を席巻し、ヤンキース移籍後もMLBの舞台で勝負強さを発揮した松井秀喜は、まさに左翼手としての理想像を体現した。広角に打ち分ける卓越した打撃センスはもちろんのこと、東京ドームやヤンキー・スタジアムの独特な外野フェンスの跳ね返りを熟知した堅実なフェンスプレイは、派手さはなくとも投手を大いに助けた。一方、メジャー通算762本塁打の金字塔を打ち立てたバリー・ボンズは、若手時代にゴールドグラブ賞を幾度も獲得した屈指の守備者でもあった。驚異的な反応速度と無駄のない捕球体制、そしてランナーを釘付けにする正確な送球。彼らは「打撃が卓越した左翼手ほど、守備における空間把握能力も極めて高い」という事実を証明してみせた。