洗剤の液性は、日本の家庭用品品質表示法および日本産業規格(JIS K 3362)によって厳格に規定されている。水溶液中の水素イオン濃度を示すpH(ペーハー)値において、中性洗剤と呼べるのは「pH6.0以上8.0以下」の範囲に収まるものだけである。pH7.0を中心としたこの極めて狭い領域こそが、手肌の角質層を痛めにくく、建材や衣類を傷めない最大の防壁となっている。
酸性やアルカリ性の洗剤が「化学反応(中和作用やタンパク質・油の加水分解)によって汚れそのものを変質・分解させて落とす」のに対し、中性洗剤の主役は界面活性剤である。水になじむ「親水基」と油になじむ「親油基」を併せ持つ分子が汚れを取り囲み、油分を微細な粒子として水中に分散(乳化)させて洗い流す。素材そのものを化学的に侵食しないため、デリケートな住宅設備からウールやシルクといった繊細な繊維まで幅広く適合する。