開票所では、すべての票が機械で自動分類された後、判読困難な票や疑義のある票について開票管理者と各陣営から推薦された開票立会人が1票ずつ目視で確認を行います。ここで厳格に適用されるのが投票用紙無効票判定基準です。
無効票の中で特に多いのが、良かれと思ってやってしまう投票用紙イラスト記号無効の事例です。
公職選挙法第68条第1項第5号には「候補者の氏名のほか、他事を記載したもの」は無効とする「他事記載(たじきさい)」の規定があります。熱心な支持者が書いてしまいがちな以下のような記載は、すべて一発で無効票として処理されます。
- 応援メッセージの付記:「〇〇さん頑張れ」「必勝」「日本を頼みます」などの文字
- イラストやマークの記載:似顔絵、ハートマーク(♡)、星印(★)、音符、絵文字
- 記号の記入:候補者名の横に「○」や「◎」、「×」「チェックマーク」を書き込む行為
- 不要な肩書や敬称:「〇〇候補へ」「〇〇先生」などの記載(状況により他事記載と判断される場合あり)
現場取材によると、当落線上にある僅差の選挙ほど、こうした他事記載票を巡って立会人間の議論が紛糾します。しかし、判定基準は厳格であり、有権者の善意や熱意が込められたメッセージであっても、法律上は無慈悲に「無効」と切り捨てられるのが開票現場の実態です。