すしまる梅田が単なる「安い立ち食い寿司」にとどまらず、幅広い層から熱狂的な支持を集める最大の要因は、看板商品である「生牡蠣(真牡蠣・岩牡蠣)」と「ワイン・スパークリング」のマリアージュ提案にあります。従来の立ち食い寿司といえば、ビールや日本酒を片手にマグロや白身を数貫つまんで立ち去る、男性会社員の聖地というイメージが強固でした。しかし同店はこの既成概念を鮮やかに覆しました。
仕入れルートを厳選した大ぶりの殻付き生牡蠣は、1個あたり300〜400円台という破格値で提供されます。さらにユニークなのが、レモンだけでなくタバスコやボウモア(ウイスキー)を数滴垂らして味の変化を楽しむオイスターバースタイルの提案です。これにグラスになみなみと注がれる辛口白ワインやスパークリング(1杯500円前後)を組み合わせることで、高級オイスターバーなら数千円は下らない体験を、驚くほどの低価格で実現しています。
この突出したコストパフォーマンスが成立する背景には、緻密な損益構造が存在します。客席を立ち食いに限定することで坪あたりの客席密度を極限まで高め、客1人あたりの平均滞在時間を25分〜35分前後に抑制。回転率を高回転(1日に1席あたり十数回転以上)で回すことにより、原価率を一般的な寿司酒場の限界水準とされる45〜50%近くまで引き上げても、店舗全体として十分な営業利益を確保できる仕組みを構築しているのです。