堀川くんが「エキセントリックな行動派」であるならば、タラちゃん(フグ田タラオ)は「無邪気な破壊者」としてネット上でサイコパス疑惑を囁かれています。「タラちゃん=サイコパス」というミームの根底にあるのは、カツオに対する冷たい制裁と、大人の心理を巧みに手玉に取る打算的な立ち回りです。
例えば、カツオがテストの点数を隠そうとしたり、サザエの言いつけを破ろうとしたりする瞬間、タラちゃんは鋭敏にそれを察知し、「お兄ちゃんが悪いことしているでちゅ」と波平の前で淡々と暴露します。そこに兄をかばう情愛や配慮は一切なく、規律を破った者を排除するマシーンのような冷徹さを見せることが、ネットユーザーのツッコミを誘発しました。
しかし、発達心理学の視点から観察すると、3歳児前後の幼児はジャン・ピアジェの認知発達理論でいう「前操作期」に位置しています。この時期の子どもは自己と外界の区別が未発達であり、他者の感情を推し量る「共感性」の獲得途上にあります。彼らにとって世界は「ルール通りに動くべき場所」であり、そこから逸脱したカツオを通報することは、悪意のない純粋な正義感の表れに過ぎません。視聴者が大人目線でその即物的な行動を見るため、冷酷なサイコパスのように錯覚させられているのが実情です。