このフレーズの情緒的リアリティを最も色濃く体感できるのが、ポップミュージックや映画の台詞です。アイルランドのボーカルグループ・Boyzone(ボーイズゾーン)が1998年に世界的大ヒットを記録した代表曲『No Matter What』(ミュージカル『Whistle Down the Wind』劇中歌)の歌詞和訳を通じて、ネイティブが抱く原風景を検証します。
【歌詞の抜粋と対訳】
"No matter what they tell us, no matter what they do.
No matter what they teach us, what we believe is true."
(和訳:周りの人間が私たちに何を言おうと、どんな仕打ちをしてこようと。
彼らが何を教え込もうと関係ない、自分たちの信じるものこそが真実なんだ。)
この楽曲で繰り返されるリフレインは、社会的な同調圧力や周囲の冷酷な視線といった「外圧」に対して、互いの絆と信念を絶対的に肯定する宣言です。「regardless of」のような客観的・学術的な響きでは決して表現し得ない、「人間としての尊厳や深い愛情」を託す言葉として「no matter what」が選ばれていることが分かります。