腕が上がらない激痛の正体!肩峰下滑液包炎と五十肩の違いを徹底解説

腕が上がらない激痛の正体!肩峰下滑液包炎と五十肩の違いを徹底解説

腕が上がらない激痛の正体!肩峰下滑液包炎と五十肩の違いを徹底解説の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

肩関節は人間の体の中で最も広い可動域を持つ反面、構造的に極めて不安定な関節です。上腕骨の丸い骨頭が、肩甲骨の浅い受け皿に乗っているだけの構造を補強するため、深層には「腱板(けんばん)」と呼ばれる4つの筋肉の腱が巻き付いています。そして、その腱板の真上に位置し、屋根の役割を果たす骨「肩峰(けんぽう)」との間で板挟みにならないよう衝撃を吸収している液体入りの薄い袋こそが、肩峰下滑液包です。

通常であれば、滑液包内のわずかな潤滑液によって、腕を上げても組織同士が滑らかにすれ違います。しかし、日常的なオーバーユース(使いすぎ)、姿勢の崩れに伴う巻き肩、あるいは加齢による組織の弾力性低下が重なると、腕を上げるたびに肩峰と腱板の間で滑液包が擦れ合い、微小な摩擦熱や微小断裂が発生します。これが肩峰下滑液包炎の始まりです。

ひとたび滑液包に炎症が起こると、袋はパンパンに腫れ上がり、わずか数ミリの隙間しかない骨と腱の間で身動きが取れなくなります。腕を水平から上に持ち上げる動作(特に60度〜120度の角度)で組織が物理的に衝突する病態を「インピンジメント症候群」と呼びますが、この衝突時に滑液包内の侵害受容器(痛みセンサー)が一斉に発火するため、電撃のような鋭い痛みが走るのです。

さらに多くの患者を精神的に追い詰めるのが、就寝時に肩が疼いて眠れない「夜間痛」です。この肩の激痛 夜間痛 原因は、横臥位(寝た姿勢)になることで上腕骨頭が後方へ沈み込み、炎症を起こして内圧が高まった肩峰下滑液包を直接圧迫することにあります。さらに夜間は副交感神経が優位になり血流パターンが変化することや、関節内圧の上昇が重なり、じっとしていても脈打つような激痛を生み出すのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。