風邪薬と血圧の関係において、インターネット上で広く信じられている誤解についてメスを入れます。
誤解①:「熱を下げる薬ならどれを飲んでも血圧には影響しない」
これは大きな間違いです。イブプロフェンやロキソプロフェンナトリウムなどのNSAIDs(解熱鎮痛剤)は、プロスタグランジンという血管拡張物質の合成を抑制します。その結果、腎臓の血流量が減少し、ナトリウム(塩分)と水分の排泄が滞って血液量が増加するため、血圧がジワジワと上昇します。特に降圧剤を飲んでいる患者が連用すると、降圧効果が著しく低下することが臨床研究で証明されています。
誤解②:「点鼻薬なら飲み薬じゃないから血圧は上がらない」
鼻づまりを一瞬で解消する市販の血管収縮性点鼻薬(ナファゾリン、オキシメタゾリンなど)も要注意です。点鼻薬であっても鼻粘膜から急速に成分が血中へと吸収され、全身の血管収縮を誘発して血圧を押し上げるリスクが存在します。