すべては、鎌倉市雪ノ下で行われた小規模な発掘調査から始まった。出土したのは、泥の中に奇跡的に保存されていた一枚の木簡だ。そこには、これまで知られていなかった「文治・建久年間の税制改革」に関する記述が生々しく刻まれていた。
これまで、頼朝が守護・地頭を設置した1185年が実質的な幕府成立の年とされてきた。しかし、今回見つかった史料は、1192年の征夷大将軍就任を機に、東国だけでなく西国も含めた全国的な徴税権が名実ともに一元化されたことを示唆している。つまり、頼朝が名実ともに「天下人」となったのは、やはり1192年だったというわけだ。調査を担当した大学教授は、「教科書の記述を再修正せざるを得ないレベルの発見だ」と興奮を隠さない。