当時の制作関係者やキャストの証言を検証すると、昭和後期のドラマ制作現場が現代では考えられないほど過酷かつ情熱的なものであったことが浮き彫りになります。
長太郎のアクションシーンは基本的にスタントなしの体当たり撮影であり、川への飛び込みや高所からの落下、泥だらけの乱闘シーンも子役自身が演じ切りました。名物の「逆立ち」シーンも、血が頭に上って目が充血するまで何度もテイクが重ねられたといいます。
子役たちのキャリアパスにおいて、『あばれはっちゃく』の主演という看板はあまりにも巨大でした。作品のイメージが強烈すぎるあまり、成長期において他の役柄へのシフトに苦心するケースも少なくありませんでした。そうしたなかで、潔く料理人の道を選んで一流となった栗又厚や、挫折を繰り返しながらも純烈として大成功を収めた酒井一圭のように、「はっちゃく精神(諦めずに知恵を絞るバイタリティ)」を現実の人生で実践した彼らの生き様そのものが、多くの人々に勇気を与えています。