永田町の重鎮として知られる高市早苗氏だが、その原点は神戸のライブハウスとスタジオの爆音の中にあった。大学時代、彼女が心血を注いだのはハードロックとヘヴィメタルだ。担当パートはドラム。自らツインペダルを持ち込み、速いテンポのビートを叩き出すハードドラマーとしてバンドを牽引していた。
当時のバンド仲間や知人が語るエピソードは実に人間味にあふれている。昼間は経営学の講義を受け、夜はドラムスティックを握り締めて深夜までスタジオにこもる。愛車のアメリカンバイクに跨がり、ヘルメットから長い髪をなびかせて疾走する姿は、キャンパスでも一目置かれる存在だったという。
音楽への情熱は単なる気まぐれではない。緻密なリズムを刻み続けるドラマーの視点は、複雑な政治情勢のパワーバランスを見極める現在の鋭い洞察力や直感と、不思議なほどリンクしている。