江戸時代の女性髪型、身分・既婚未婚で何が変わる?日本髪の真相を徹底解説

江戸時代の女性髪型、身分・既婚未婚で何が変わる?日本髪の真相を徹底解説

江戸時代の女性髪型、身分・既婚未婚で何が変わる?日本髪の真相を徹底解説について知っておくべき ポイントを厳選して解説いたします。

江戸時代の女性史において、最も明確な社会的境界線となったのが「未婚か既婚か」の判別です。その決定的な指標となったのが、島田髷と丸髷の違いでした。

当時の江戸では、女性の後ろ姿を見るだけで婚姻関係の有無が誰の目にも明らかになるよう、厳格なコードが共有されていました。

江戸時代未婚女性の髪型の王道といえば「島田髷」です。髷の根元を高く引き上げ、折り返した毛束の中央を紐で固く括るこのスタイルは、若々しさと凛とした緊張感を醸し出します。武家の儀礼用として格式を高めたものが「高島田」であり、これが後に結婚式の正装として受け継がれる文金高島田の由来(元禄期の流行や男子の髷の意匠を女性が取り入れたのが発祥)へと結実していきます。一方、町娘の間では髷に鹿の子絞りの手絡(てがら)を巻き付けた「結綿」が、可憐な未婚スタイルの代名詞となりました。

対照的に、江戸時代既婚女性の髪型として定着したのが「丸髷(まるまげ)」です。勝山髷をベースに、髷を大きな丸いフォルムに仕上げるスタイルで、年齢を重ねるごとに髷のサイズを小さく、位置を低くしていくのが粋とされました。既婚女性は丸髷を結うと同時に「お歯黒(歯を黒く染める)」を施し、第一子を出産すると「眉を剃り落とす(引目)」という通過儀礼を行いました。髪型と化粧が連動し、既婚者としての成熟と家庭内での地位を視覚化していたのです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。