当時、若者を中心に爆発的人気を誇っていた恋愛リアリティ番組『テラスハウス』のパロディとして幕を開けた『モンスターハウス』。しかし、その実態は洗練された男女の青春群像劇とは対極に位置する、人間のエゴと欲望が剥き出しになったドキュメントでした。シェアハウスに集められた男女6名の中で、クロちゃんは最年長でありながら誰よりも倫理観を度外視した動きを見せ、スタジオのダウンタウンやゲスト陣を幾度となく絶句させました。
特に視聴者を震撼させたのが、モデルの莉音とタレントの蘭に対する露骨なアプローチです。クロちゃんは同じシチュエーションで双方に好意を伝え、挙句の果てには莉音に渡そうとして断られた指輪を、そのまま蘭への告白に使い回すという前代未聞の暴挙に出ました。口から飛び出す「守ってあげたい」「嘘ついたら口に針千本入れるよ」といった数々の名言は、SNS上で即座に拡散され、トレンドを独占する事態となりました。
番組演出を担当した藤井健太郎氏の仕掛けは徹底しており、隠しカメラが捉えるクロちゃんの狡猾な駆け引きと、リビングで見せる無邪気な笑顔のギャップが、ホラー映画以上の緊張感を画面越しに創出していました。男女の恋愛感情が交錯する中で、誰が脱落し誰が生き残るのかというサバイバル要素も加わり、バラエティの枠組みを完全に超越したコンテンツへと進化していったのです。