ペンギンの肉と並び、当時の探検隊や島民の間で頻繁に食されていたのが「ペンギンの卵」です。この卵には、ニワトリの卵とは決定的に異なる特異な性質があります。
ペンギンの卵を茹でると、「白身が固まっても白くならず、半透明のゼリー状になる」という特徴を持っています。これは白身に含まれるタンパク質の組成(オボトランスフェリンやペナルブミンなどの比率)がニワトリと異なるためです。外見はまるでガラス細工のように黄身が透けて見え、初めて見る人を大いに驚かせました。
気になる味については、肉よりも癖が少なく濃厚で美味と評されることが多くありました。南アフリカのケープタウンなどでは、20世紀半ばまでケープペンギンの卵が高級食材として市場で取引されていた記録もあります。ただし、冷めると強烈な魚臭さが出るため、熱いうちにバターやコショウをたっぷり利かせて食べるのが鉄則とされていました。